お菓子つくりまつた
僕の朝はモーニング・コーヒーで始まる。
しかし今日はブラック・ビネガーだ、がぶりと飲み乾し喉に感じる小さな刺激を楽しんだ後、僕はこのつまらない自粛の日常が今日は少し楽しくなりそうだと思った。
そんな気持ちの中、ふと僕はお菓子を作ろうと思い立った。レシピは数日前に同じ学部の人から教わったものだ、善は急げと言わんばかりに僕はスーパーへと材料を買いに家を後にした。
一通りのものを買い終えて帰路についた道中、一陣の風が僕を包んだ。
それは近頃の陰鬱な空気を意に介さぬようなどこまでも、ただひたすらに爽やかな初夏の風だった。
家に着いた僕は早々と作業に取り掛かった。
自らの手際の悪さに辟易しながらもどうにか完成に漕ぎ着けたそれは、深緑の美しい抹茶タルトであった。
思わず写真におさめたその緑のおかげで、数日は楽しめそうだ。